民主党の「自民党政治化」の可能性への危惧
民主党についてのブログ村の掲示板での「民主党はこんなにひどいのに、
何故離党する人がいないのか」というご意見に対して、述べさせて頂いた
文章です。なんだかお相手があっての投稿の場合、何について述べさせて
頂ければいいか、が分かるので、書きやすいです^^;
####################
>◯◯さん
いえ、僕こそ何だか偉そうに申し訳ありません(汗)ご旅行でしたら、
楽しいご旅行になるのを祈っています、お仕事でしたら、申し訳ありません、
お疲れ様ですm(__)m
そうですね・・・民主党がひどいかどうか、それともいいのか
の価値判断はいろいろなご判断がおありの方がいらっしゃるかと
思いますし、とりあえず置かせて頂いて、民主党から離党する方が出ないのは、
一番の理由だと思うのは、「政権与党の第一党」ということと、そしてそれに加えて、
「まだ国民の支持率が低くないこと」「小沢氏など党執行部の党の掌握力が強く、
派閥はあっても、それが自民党ほど『今現在は』強くないこと」があるかと思います。
まず、「政権与党の第一党」なことは、少なくとも今回の参議院選挙でも、
よほど大負けしなければ、政権を3年半、単独で民主党は担えるため、
自民党の場合もそうですが、政権党であるうちは、普通はわざわざ
離党する人はなかなかいないということがあります。当然のような事で
申し訳ないのですが、これが中選挙区制度の時は、一つの選挙区に複数の
議席があるため、つまり、自民党の候補者が複数立候補し、お互いの票を
食い合うので、同じ自民党同士の候補者なのに、対立するため、あまりにも
勝ち目のない場合、離党して無所属で立候補する、ということがあったり
しましたし、あと、一番は、中選挙区制度では、制度的に「派閥の力が
非常に強くなる制度だった」というのがあり、派閥争いに勝つ見込みのない
候補者や派閥の人が離党して、新党を作るといったケースあるくらいで、
基本的には「政党」の力が強くなり、かつ「大政党でなければ議席を取り
にくく政権を取れない」小選挙区制度だから、というのが大きいかと
思います。「派閥」と小選挙区中選挙区については、自分のブログで
お恥ずかしく申し訳ないのですが、こちらの方をもしよろしければ、
何かのご参考にして頂ければ幸いですm(__)m
自民党政治の考察と、民主党の「自民党政治化」の不安感
http://d.hatena.ne.jp/utopian20/20100501/p1
しかし、小選挙区制で与党でも、新党を実際、自民党が与党だったころ、
離党して作った方がいらっしゃいました。何故かと言えば、今回の自民党の
大敗のように、「政党」の力が強い分、政党の国民の支持が落ちてしまうと、
議員個人の人柄や主義、実績などに関わらず、「次の選挙に落ちる可能性が
あるから」で、その意味で、現在の民主党は、「まだ国民の支持率が低く
ない」から、離党する方がいないのだと思います。
また、「小沢氏など党執行部の党の掌握力が強く、派閥はあっても、それが
自民党ほど強くないこと」については、小沢氏が独裁者だ、とかいうことでは
なく、一つは小選挙区制で自民党にしても民主党にしても、「派閥」という
ような概念が重要性が低くなったことがあります。上の僕のお恥ずかしい
ブログで述べさせて頂いていますのに付け加えさせて頂ければ、中選挙区制度
では同じ党の2人など複数の候補者がお互いの票を食い合うために、
「自民党」など、「政党」を全面に出したら、中選挙区制では二人とも同じ政党なので
差別化ができず、結果的に「どっちが選挙区に利益をもたらすか」や
「人柄、知名度、キャラクター」などで争っていたのですが、小選挙区制では
「選挙に勝つために党の名を使う」ため、党の力が強いことと、
「民主党が自民党より派閥が弱い」のは、自民党は基本的に首相になるための
総裁選挙は、党員票もありますが、圧倒的に議員票が強く、よって、
自民党では議員同士による派閥争いが、総裁選を争うために強くなり、なので派閥が
でき力を振るっていたのですが、民主党の場合は、今は違うようですが、以前は
「民主党サポーター」など1000円払った人が党首を直接選挙できて、
議員票も力が大きいけれど、自民党ほど強くないことが大きいです。
以下、Wikipediaからの抜粋です、「なんだ、民主党は党員と議員が
不平等じゃないか」と思われるかもしれませんが、自民党の場合は、
これよりさらに議員票が強いのです。でも、今は90年代以降、それでもまだ
党員票が強くなっていることはいます、80年代以前は「1980年代には
党員・党友による有効得票1万票を国会議員票1票に換算して基礎票とする
制度が行われていた」ように、自民党の党員・党友が104万人ですから、
104票はあるはずなのですが、1万票単位での計算になりますし、
投票率も高くなく、かつ「議員に投票権を委任状を書いて委任」などがあった
ため、ほぼ議員票で決まっていました。
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◯民主党代表選挙制度
・国会議員は1人1票で、得た票数の2倍がポイントとなる。
・国政選挙の党公認予定候補者が有権者となった場合、1人1票で、得た票数
がポイントとなる。地方自治体議員である党員は、100ポイントが割り当て
られ、議員全員による全国投票をもって投票で、ドント方式によりポイント
が配分される。(ドント方式とは比例代表制とほぼ同じです)
・上記以外の党員およびサポーターには300ポイントを各小選挙区の総支部
に1ポイントずつ配分される。党員およびサポーターの投票は各小選挙区の
総支部ごとに投票を行われ最多得票数を得た代表候補者がその小選挙区総支部
でのポイントを獲得する。
◯自民党総裁選挙
・投票は1人1票で無記名投票で行われる。しかし、国会議員と党員・党友に
より票の扱いは異なる。国会議員は1人1票とし、投票所に直接投票する。
・党員・党友票は、(A)の場合は各都道府県ごとに基礎票3と党員比例に
より割り当てられる票数が、(B)の場合は各都道府県ごとに都道府県連
代表票として3が割り当てられ、各都道府県連の代表者が投票する。
当選者は国会議員票と党員投票の算定票を合計して、過半数の得票を得た
者となる。過半数を得た者がいない場合は得票数の上位2名により
党所属国会議員による決選投票((B)の場合、各都道府県の代表者も
決選投票に参加する。)を行い、得票数の多かった者を当選者とする。
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そのように、民主党の場合は相対的に派閥の力が弱いのですが、では
党員の力が強く完全に100%民主的なのか、といえば、議員票と
異なりますし、今はサポーター制度を停止していますから、
これから派閥の力が強くなる可能性がありますが、自民党のように、
長い歴史を持っていて、伝統的に派閥が続いてきて、それが小選挙区制で
弱まってはいても、まだ続いているのと違って、民主党の場合はできた
ばかり、というのと、ある派閥といっても、元社会党の議員は
もう衆院では11人しかいません。むしろ、元民社党は17人、
元さきがけは47人で、元社会党は少数派なのですが、なにより強いのは、
小沢グループで、75人以上のようです。
(Wikipediaの「民主党の派閥」から抜粋っせて頂きました)
そのため、基本的には小沢派が圧倒的なため、あまり争わないままで今は
いますが、これからたぶん、「与党」になったので、派閥化が強くなっていく
可能性があります。なので、僕は「民主党の『自民党政治化』」、
それは政策のことではなく、「党首選争いと利権争いによる派閥政治化」に
ならないことを祈っています。。。
※追伸です
ちなみに、日本に限って、完全に100%民主的な代表選挙が行われている
政党があるか、といえば、完全なところは、最近できた新党3つについては
知らないのですが、知っている政党では、100%という意味では思い
当たりません。また、世界的に見ても、なかなか思い当たりません。
国の民主主義制度のあり方ですら、「どれが100%民主主義的か」と
いうのは、多数決=民主主義とも限らないので、議論があって、事実上は
国の民主制度ですらそうなのですから、どの制度が党内民主主義的か、
というのは、誰もなんともいえないのかもしれません。。。
例えばですすが、自民党の「派閥」というのは、ある意味で
「ハト派」と「タカ派」など「党内二大政党制」などが代表例のように、
「党内政党」があり、ある意味では、バランスによって成り立っていて、
だからこそ、自民党が議席を一番持っていた時ですら、「じゃあ憲法改正案
を国会に明日提出します」とは言えない、という意味で、ある意味では
独裁ができない、よく言えば「和」という日本的な、悪く言えば
「根回しと取引」といった形で成り立っていたため、ストッパーがあった
ため、自民党総裁が独裁をできたわけではありませんでした。
一番力があったのは田中角栄氏だと思いますが、それも一代限りでしたし。。
あえていえば、小泉氏が独裁的という定義に当てはまるものだったかと思います。
だから、「自民党の中は独裁的だ」という意味で申し上げたのではなく、
「派閥ができやすいシステムだ」という意味で申し上げさせて頂きました、
そして派閥は、悪い面もありますが、良い面もあり、今までの自民党では、
悪い面が多かっただけで、これからは分かりません。そして民主党が派閥色
が強くなったとき、その派閥が良いものになるのか、悪いものになるのか
分からないため、不安に思っている感じです、それではまた長文になり
申し訳ありません、失礼しましたm(__)m
※追伸の追伸です
しつこくなり申し訳ありません、「多数決=民主的とは限らない」とは、
そもそも「民主主義」は、人によっては「デモクラシー」とは正確には
「民主政」と訳すので、「主義」じゃない、といわれる方もいらっしゃるのですが、
僕は「思想としての民主主義」があると思います。
実際問題、多数決=民主主義というと、つまり、ペリクレス死後のギリシャの民主政
や古代ローマ共和国の共和制の結果から心配されていたため、
「多数者独裁」だとして「衆愚的だ」として、だからこそ君主制度が正当化されて
いましたが、現代民主主義とは、「最大多数の意志を尊重するが、少数派の人権侵害を
行わないという事を守らなければならない」ということがあると思います。
100%多数決で決めるとなると、極端な例ですが、
「95%の賛成の人で、残り5%の反対の人の目をくり抜くことを決定し
実行することが民主主義的か」、といえば、そういうわけではない、
ということかと思います。
ちなみに一番「民意を反映する」制度は、国単位でいえば、比例代表制度
なのは間違いありません。しかし、何故全世界が比例代表制度でないかと
いえば、端的に申し上げれば、「人間は地域、宗教、主義、民族ごとに
自分の所属する立場のエゴに走る可能性がある」ということで、
それをやると先述の「95%の〜」ということになるのは、少数民族問題や
宗教対立の問題でありますようなことがあります。実際、多数派民族が
対立する少数民族を弾圧したり、多数派宗教が少数派宗教を弾圧する例は、
アフリカやアジアなどから、場合によってはヨーロッパ、北米も含め、
世界各地でその例がこれまであるように思えます。
あとは、「民意を正確に反映すればいいのか」という問題では、
戦前のワイマール憲法のドイツで行った、完全比例代表制では、
ちょっと票をとれば完全比例代表制なので議席はとれたのですが、
ナチスが議員を12人送り込んだときから、議員は議員なので、
例えば延々と発言台でどなりちらして時間をかせぐ、発言台にいないときは
議席から大声で罵倒してやじを飛ばしまくり、とにかく議事妨害を行って、
結局、議事が進まない=政策がまともにできないので、
いろんな内閣が潰されて行って、最終的に消去法で有権者の
43%の得票でナチスが第一党になった、ということがあります。その後
93%を得た、というのは、全政党を解散させ禁止してからなので、
民主的には意味がありませんでした。
また蛇足を申し上げてすみません(汗)そのような感じで、どれが
民主的か、といえば難しいと思います。はっきり申し上げれば、
日本の議院内閣制は、アメリカの大統領制より権力が弱いかのように
思われますが、基本的に党内を一致団結できるなら、立法府で過半数を
握っている政党が、行政府の内閣を選べるので、これほど強い権力の制度は
実はなく、日本の場合は「派閥」があったからこそ、弱く見えただけと
言えるかと思います、議院内閣制の権力がが強いのは、とにかく強行採決を
できてしまうので、それは、小泉政権のときに見られましたし、
下手をするとこれからの民主党政権で行われないとも言えませんし、
どこの政党が握っても同じかもしれません。議院内閣制で小選挙区制度を
行うことに内在的に問題があるように、個人的には思います。
○後記
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