「『日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に・・・」についてです

 自民党の阿部総裁は国防軍の設立、憲法改正を次の衆議院選挙の公約として挙げていますが、それだけでもきな臭いのに、実際の自民党憲法草案はそれ以外の所も非常に危険なようです。


 自民党憲法草案は下のpdfファイルで見ることができますが、「Goodbye! よらしむべし、知らしむべからず」のhalさんのホームページで現憲法自民党憲法草案との対比を書いていらっしゃって、それが非常にわかりやすく、非常に自民党の草案が危険であることが、明瞭に分かるので、挙げさせて頂きます。


自民党憲法草案(2012年度版)
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf


「Goodbye! よらしむべし、知らしむべからず」さんの「『日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に・・・」
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm


 それを参照させて頂いた上で、まとめると、このような問題点があるかと思います。


◯ポイント1・・・「公共の福祉」から「公益及び公の秩序」への書き換え


 「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」、どこが違うのか、何が違うのか、同じじゃないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「公共の福祉」は各基本的人権が対立し相互の矛盾を起こした場合に調整するために限って認められる実質的公平の原理というものです。


 「公共」とは古代ローマの政治家・政治哲学者のキケロが「人民の福祉」が最高の法であるべき、と著作の中で述べて以来、各人の各人権のぶつかり合いを調整するために限った人権制約のための原理、実際は実質的人権保護の原理として、言われた原理です。それがどこから来るかによって色々な説がありますが、今は人権に内在していると考えられている原理です。


 しかし、「公益及び公の秩序」というのは、社会やおそらく自民党が想定しているのは国家に関する利益や秩序を守るために人権を制限しようというもので、「公」という文字を使っていても全然意味が違います。これが「人民の福祉」とでも訳していれば誤解がなかったのでしょうが、当時は冷戦が始まりかけていた時代で、「人民」という言葉は政治的にタブー的に扱われていたので、難しかったのだと思います。



  国家の利益、国家の秩序を守るためなら人権を制限してもいい、同じ「公」という文字ですが、「公共の福祉」は「人権相互がぶつかり合う場合の実質的な公平のための調整の原理」、「公益及び公の秩序」は国家の利益及び国家の秩序、と全く違います。


 それを、今回、財産権と幸福追求権による様々な新しい基本的人権や、集会結社の自由、出版及び言論の自由、その他一切の表現の自由はという民主主義の根幹に関わる人権が「公共の福祉」から「公益及び公の秩序」へと書き換えられ制限される事を定めようとしています。。


 しかも憲法第12条は本来は公共の福祉として、対立しあう人権に関する実質的な公平のための原理でしたが、それが「公益及び公の秩序」と基本的人権の大原則が書き換えられ、基本的人権を上回る「公益」というものがある、と定められています。その「公益及び公の秩序」が具体的に何を指すのか、実質的に新憲法に基づく法案作成は官僚任せでしょうから、行政の恣意的な解釈による運用の危険性があります。



 また、これは集会結社の自由、出版及び言論の自由も、そのように立法府や行政府の省令などで定められるとしたら、これは民主政の過程による自己回復機能を大きく破壊し、独裁国家になりかねない危険性があるものです。これは極めて恐ろしい事だと思います。


 
◯ポイント2・・・憲法第9条の改正の意味


 現在の日本国憲法では、ご存知の通り憲法第9条戦争放棄と軍備放棄が定められています。しかし、御存知の通り日本には自衛隊が存在します。それは憲法第9条2項の
「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」の「前項の目的」、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という目的の「ためには」、と英語の草案でのin order toの訳を限定的に解釈して、「自衛のためならば自衛隊を持ってもいい」という政治判断があり、そして最高裁を始めとする司法が、長沼ナイキ基地訴訟の札幌地裁の違憲判断以外は、「高度な政治的問題であり、司法判断になじまない」という「統治行為論」で違憲立法審査権を行使しなかったから自衛隊が存在している形になります。


 個人的には憲法第9条があっても、そのような形で自衛隊を運用できる訳ですし、憲法第9条の平和主義との緊張関係・監視下の元、自衛隊を運用するべきだというのが、「私の9条論」で述べさせて頂いた事です。それを憲法第9条2項と3項を削除して、新たな第2項として「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。 」とする意義がどこにあるのか、といえば、憲法第9条の平和主義との緊張関係・監視を取り払って、国防軍化と軍備制限の無制限化ができる事と、「自衛権」というのが「集団的自衛権」、つまり日米安保条約での米軍との共同作戦ができるようにする事だと思います。


 「米軍との共同作戦、日本を守るためだ、いいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、日米安保条約は「同盟」ですので、例えばイラク戦争の時の海外派兵のように、アメリカ軍の世界各地での戦争に、わかりやすくいえば現在のイギリス軍、韓国軍のように、「同盟国」としてイラクアフガニスタン、将来的にもし戦争が起きるなら、イランや北朝鮮や中国に派兵して戦争しなければならない義務を負う事でもあります。


 ただ、憲法的には名古屋高裁イラクでの自衛隊の活動を違憲とする判例が出ている司法判断や、「日本も集団的自衛権を有しているが、憲法第9条1項の規定上、その権利の行使は許されない」との日本政府の公式判断により、事実上アメリカの戦争に巻き込まれないようになんとか司法や政治や社会の各方面で防いで来ました。


 しかし、今度の国防軍化と「自衛権の発動」の自衛権の内容が、集団的自衛権憲法的に定める事であるのは、安倍総裁の言葉で明らかですし、アフガニスタンで戦死する自衛隊員が生まれる、もしくはイラクで「テロリスト」を射殺する自衛隊員が生まれる事になり、世界で唯一戦死者も殺した相手もいない軍隊であった自衛隊が、人を殺せる、人から殺される軍隊になる、という大きな岐路であると思います。


イラク派兵の時には基本的には復興支援で行ったため、イスラム各国からの反感はそれほど強くありませんでしたし、イラクでも感謝されましたが、これがアメリカ軍とともにアラブ人を射殺する自衛隊となると、日本がテロに遭うリスクは高まりますし、自国内に油田とシェールガスを持つ米国と違って、中東に石油を依存している日本がアラビア各国から今までは好意を持たれていたのに、敵意を持たれるようになりますと、無駄にエネルギー安保を危機に陥れる事になるかと思います。


◯ポイント3・・・「奴隷的拘束」の範囲の縮小


 これについては条文をご覧頂いた方が早いかと思いますので挙げさせて頂きますが、現行憲法自民党草案はこのような条文になっています。


・現日本国憲法
 第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

自民党草案
 第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
    2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。


 これをどう考えたらいいでしょうか、本来的な人権に関して言えば、現在の日本国憲法のままで問題がないはずですが、「社会的または経済的関係において」と条件が付きました。「社会的、経済的関係」というのが国家でなく、例えば企業と労働者との関係だとしたらわかりますが、憲法には間接効力説として、憲法を民間同士では直接的には適用できない、私人間効力の否定の原理があります。ただ、この第18条などに関しては、直接的に効力を持つとされています。それなのに何故このように制限をつける表現になったのでしょうか。


※2012.12/4
 この「社会的または経済的関係において身体を拘束されない」というのが、実は徴兵制や安倍氏が若者の就業対策で言う「徴農」のために、そのように限定しているのではないかというご意見を頂きました。安倍氏の場合ありうるので、否定できないため追記させて頂きます。


 社会的、または経済的関係において、というのには、「政治的」は社会的に入るのでしょうか、家族関係に関してはどうでしょうか、何故範囲をわざわざ「社会的または経済的関係において」と制限したのか、極めて不気味な感じがします。


◯ポイント4・・・政教分離原則の削除


 これもまた、現行日本国憲法自民党草案を対比して見ていただいた方が早いかと思います。


・現行日本国憲法
第二十条
?信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
?何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
?国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。


自民党草案
第二十条 信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。
ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。


 御覧頂いてのように、「又は政治上の権力を行使してはならない」の政教分離原則がまるごと削除されています。政教分離原則に関しては様々な考えがありますが、「特権付与の禁止」 「宗教団体の「政治的権力」行使の禁止」「国の宗教的活動の禁止」など、少なくとも禁じられているのは、国家が宗教団体の側を弾圧したり特権を与えたり国家として宗教的活動、たとえば布教や国教化などをしてはいけない事です。また、学説としては宗教団体の政治参加は排他性を持つので民主政治にそぐわない、というものもありますが、今のところ宗教団体の政治参加に関する憲法第20条1項の司法判断はないようです。


 特権の付与は草案でも禁止されているとして、それを除いたこれらの禁止された事が許されるとしたら、どうなるでしょうか。政教分離の「政教」の概念は、「融合型」「政教条約型」「分離型」とありますが、融合型というのは戦中の国家神道イギリス国教会のような国教化の事です。また、「政教条約型」とは「特定の宗教団体と政治の役割と宗教の役割と分けて政治の及ばない範囲を認める条約を締結すること」などといえるかと思います。そして「分離型」が現在の日本国憲法の第20条で、つまりはこの「融合型」ともしくは「政教条約型」への道を開きうる事が、この条文の改悪の問題点だと思います。


※12月10日追記
 政教分離原則の削除は公明党への配慮のためだ、というご指摘を頂きましたが、まだ宗教団体の政治参加に関する具体的判例が知っている限り出ていないので、もしかするとそういった具体的判例が出る前に、その芽を摘んでおこうという配慮があるのかもしれません。いずれにせよ政教分離原則の削除は極めて危険性が高い事です。


◯ポイント5・・・「緊急事態」の制定


 自民党草案では緊急事態という概念が新設されています。緊急事態とは、「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害『その他の法律で定める緊急事態』」とあります。「有事法制、国家緊急権だ、いいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「その他の法律で定める」緊急事態というように、法律によって緊急事態がやろうと思えば自由に制定できてしまう危険性があるものです。


 その「緊急事態」の時は、「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」とのように、国会がなくとも法律と同一の効力を有する政令を発せると一種の全権委任法になっています。先ほどのように「緊急事態」は「その他法律で定める緊急事態」とありましたが、この全権委任で「緊急事態」を新たに定め、選挙法や政党に関する法律も都合のいいように定めた場合どうなるでしょうか。


 ワイマール共和国でヒトラーの全権委任法はたったの5つの条文で、「4年後ないし内閣が総辞職したら廃止」されるから大丈夫、と言われドイツ社会民主党とドイツ共産党以外は賛成しましたが、ヒトラーは全権委任法で与えられた法律の内閣の制定権を用いて、NSDAP以外の政党を全部禁止し、その全権委任法の4年間というのを内閣の判断で延長させ延長させそれは終戦まで続きました。


 そのように、全権委任法的なものは極めてデリケートなもので、民主主義を脅かす危険性のあるもので、法律で定める事で「非常事態」が変わるのでは極めて危険性が高いと懸念してしまいます。また、「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。」と国民に義務を課していますが、「この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。 」とは書いてあっても、司法判断なしに命令を発して従わす事ができるのは、おかしいですし、先述のドイツでも国家緊急権は定めはありますが、同時に内閣の権力の濫用があった場合などのために「抵抗権」を新設して、国民の権利保護の担保にしています。



 もちろん、国家緊急権など「非常事態」に備えた法整備は必要ですが、その権利が濫用された場合を戦前の例を考えると、ドイツでは「非常事態」の濫用により政府の独走を許すことがないように、政府単独での国家緊急権の発布が認められていません。また、どのような非常時においても政府の措置が立法や司法の監視下の下に置かれる仕組みをとっていて、国会の事後承諾ではなく、突発的緊急事態でも、最低でも両議会の議員で構成された合同委員会の議決が必要とされています。


◯ポイント6・・・硬性憲法から軟性憲法


 日本は憲法の改正に両院国会議員の3分の2以上の賛成と、国民投票過半数以上の賛成が必要な硬性憲法ですが、これは成文憲法の国家ではほとんどがそうで、法律以上に厳しい要件が課せられています。しかし今回の自民党草案では両院国会議員の過半数以上の賛成と、「法律の定めるところにより行われる国民の投票」において「有効投票の」過半数の賛成を必要とすると、極めて柔らかい軟性憲法にしようとしています。


 ここで問題なのは、よく誤解されがちですが、議院内閣制は弱く大統領制が強い権力だ、と思われる方がいらっしゃると思いますが、議院内閣制は国会の過半数を握った政党が立法と行政の2権を握るため、極めて本来は権力が強い制度です。特に二大政党制の場合は非常に権力が強く、イギリスが二大政党制(自由民主党が第三極としてありますが)で議院内閣制をやっていても民主的なのは、議員にも国民にも民主主義への尊重があるからです。


 その議院内閣制でこのような軟性憲法にした場合、憲法は極めて不安定なものとなってしまいます。非民主的な政党が政権を握った場合、国民投票という関門があるものの、
議会の過半数を占めていますから、野党との討議もロクになしで定まる危険性があります。しかも、「法律の定めるところにより行われる国民の投票」なので、どのような投票か、例えば最高裁判所裁判官国民審査のように☓をつけなければ信任とみなす投票だとすれば、今まで国民審査で罷免された最高裁判官がいないように、投票方法により票が賛成が多くなるように定める事ができ、また「有権者の」ではなく「有効投票の」過半数ですから、投票率が低ければ有権者のわずか2、30%の賛成で改正させられる危険性があります。その場合、組織票がモノを言うのは言うまでもないことかと思います。


◯ポイント7・・・天賦人権論の削除と憲法尊重擁護義務の変化


 現在の日本国憲法では、「第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」とのように定められていますが、自民党草案はこれを丸ごと削除しています。つまり、天賦人権論の否定であり、人権は国家から与えられるもの、と削除する行為は言っているに等しい、と個人的に思います。

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※12月9日追記
 12月8日に自民党タカ派で有名な片山さつき女史が、天賦人権論を意図的に削除したのを明らかにしました。


国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!
https://twitter.com/katayama_s/status/276893074691604481

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 また、自民党草案では新たに、「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」と定められていますが、私人間効力を認める憲法、と考えていいのでしょうか、思想良心の自由を私人間効力の否定で認めなかった三菱樹脂事件のようなことは、起きなくなるという意味なのでしょうか。そもそも憲法は国家の最高法規であったはずですが、それが変わるということでしょうか。それとも国家緊急権の時を想定してのことで、私人間効力など認めないのでしょうか。


 また、現行の日本国憲法は「第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定められていますが、「2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。」と「天皇または摂政」が何故か削除されています。一体何故なのでしょうか。


○まとめ


 以上のように、かなり恐ろしい内容な憲法草案になっていますが、まず思い出して頂ければと思うのは日本国憲法の前文です。裁判規範性こそありませんが、法規範性が前文にはあるというのが通説です。その前文にことごとく違反する自民党草案こそ、「違憲」なのではないでしょうか。

○このブログでの関連ページです


天賦人権論と自己責任論
http://d.hatena.ne.jp/utopian20/20121209/p1


現在日本に起こりつつあるクーデターに抵抗しよう
http://d.hatena.ne.jp/utopian20/20121210/p1


私の9条論
http://d.hatena.ne.jp/utopian20/20070101/1269972042


日本でクーデターの危機
http://d.hatena.ne.jp/utopian20/20070514/1179103245



○後記
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日本の司法の問題点と解決策について考える
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