三権分立と検察行政・警察行政に思う事

「 Goodbye! よらしむべし、知らしむべからず」のｈａｌさんのブログで高知白バイ事件の事を初めて知りましたが、警察行政と検察が物的証拠を捏造した疑いが強いのを見て、実際に物的証拠を検察側が捏造した大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件や、「真犯人」の声明で、無罪なのに「私がやりました」と強制的に自白させられたのが明白な事になり、国民に警察行政に捕まったら白を黒と言わせられると恐怖感を与えた「遠隔操作ウイルス事件」、そのように強制的に自白させられた可能性が極めて強い「御殿場事件」など、警察行政と検察行政の暴走と権力の濫用を思い出しました。
（12/6追記・遠隔ウィルス事件はこちらの宮武嶺さんのEveryone says I love you !　が詳しいと思います）

　「「取調室」という「密室」の問題〜「取調室」のインカメラ化を！〜」で述べさせて頂いたような、取り調べ行為の録画録音義務化を当初民主党は打ち出していましたが、結局それはお流れになり法案化されませんでした、あまりにも残念な事です。次の政権与党に自民党は入る事になるでしょうが、また公選公務員たる議員とそれが監視する義務を負うはずの公務員である警察行政、検察行政が、癒着の関係に戻るのは、とても危険なことではないかと思います。

　警察行政と検察行政が独立しておらず、小沢一郎民主党元代表の強引な強制起訴や石川知裕衆議院議員を事情聴取した際、事実と異なる捜査報告書を意図的に作成するなどの例から、立川反戦ビラ配布事件や日本共産党の公安の監視、その他主に左翼相手への転び公妨や様々な手段を用いるような事など、明らかに政治的に偏っています。

　本来的に警察行政も検察行政も民主的に公選された議員による議会に監視されるべきものですが、長年の自民党支配と１０年の自公政権で完全に自民党公明党に偏った行政になってしまいました。３年前の政権交代時に、司法警察権力に対し思い切った民主的統制や司法府のきちんとした独立をを民主党ができればよかったのですが、残念ながら党内のごたごたとその後の３・１１でそれどころではなくなってしまいました。

　よく誤解されがちですが、「『検察』は司法府で国家から独立していて中立的だ」とおっしゃられる方がいらっしゃいますが、正確には検察官は法務省の「官僚」、つまり「行政府」です。実際法務省の官僚が、検察庁の方へ行き来する事が多いようです。そのように、検察行政は「司法府の独立」には入りません。

　よって、検察行政は警察行政と同じく、公選された公務員である国会議員とその議会により監視されるべきものなのですが、先述のように政権交代が５０年ほどなかったりしたため、議会の長年の政権党であった自民党と検察行政・警察行政が癒着してしまっているため、それを監督すべきはずの国家公安委員会も各都道府県公安委員会も、警察の民主的管理と政治的中立性を十分担保できずに来てしまいました。

　これを変えうるのが政権交代だったのですが、残念なことに先述の通り民主党は党内のごたごたと３・１１でそれどころではなくなってしまいました。検察行政が恣意的に小沢一郎元民主党代表を起訴したのは、検察行政の人事を刷新されるのを恐れたため、という話もありますから、実に問題の根は奥深いと思います。

　また、「司法府」たる裁判所もまた、三権分立と言われながらも、裁判官の人事などで、例えば国側に不利な違憲判決を出した地裁高裁の裁判官は左遷させられる、といった形で、司法府もまた立法府と行政府に取り込まれ、日本ではきちんとした三権分立が確立できてない状態です。

　では具体的にどのような警察行政、検察行政の民主的管理か、といえば、政治的には定期的な政権交代と、本来の警察、検察の民主的管理という設置目的のために、委員と審査員の公選も含めた公安委員会制度、検察審議会制度の大幅な刷新、人事権も含めた司法府の完全な独立と、刑事訴訟法のコンプライアンスの徹底、当然取り調べのインカメラも含めた冤罪防止策、死刑執行までの再審可能性を考えた一定期間の猶予などがあるかと思います。

　ただ、今回の選挙で自民党が復権しそうですから、せめて取り調べのインカメラ化などを最低限として、警察行政・検察行政の民主的管理・統制を行うためにも、野党としてでも憲法を大事にする政党に伸びて欲しい、伸ばしたいと、個人的には思います。

以下の掲示板でご意見いただけたら幸いです。

日本の司法の問題点と解決策について考える
http://yy45.60.kg/test/read.cgi/utopian/1170441983/l50

○後記
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