護憲のために国民投票法について考える

　昨日の衆院選を受けて左派・リベラルな方の衝撃は凄まじいものがあると思いますが、現実問題として改憲への動きがこれを受け活発化する事を考えると、
その防止のためには参院選、もしくは最悪の場合国民投票で護憲を訴える事を考えなければならないと思います。参院選で阻止ができればいいですが、万が一国民投票になった場合ですが、改憲にも色々な形の改憲があります。

　それは自民党改憲草案のようなものをそのまま包括的に投票にかける一括投票方式、この条文には賛成だがこの条文には反対と条文ごとに投票を行う個別投票方式があります。どちらも改憲勢力にとっても、護憲勢力にとってもメリット、デメリットが表裏一体的にあります。

　一括投票方式ではメリットとしては体系的な憲法システムを定められる事、また９条改定にだけ賛成な人たちにも今回の場合は自民党改憲草案のようなものが一括して受け入れるか受け入れないか定められる事、デメリットとしては、例えば９条改正には反対、という方たちが反対で、他の条文も包括的に拒絶される事があります。

　逆に個別投票方式でメリットとしては例えば９条は絶対に変えたいという人にとっては、個別投票方式では賛同を得やすい事、デメリットとしては包括的には改憲できない事、というのがあります。

　今回の選挙結果を受けて、国民投票法で明確には定まってなかったのを改正し、どちらかの投票方式を採用する事になるかと思いますが、自民党としては国民投票法の法案の段階で、一括投票方式を採用したかったようで、どちらとも取れる条文に国民投票法を定めていますから、明確に一括投票方式に定める動きになる可能性が高いかと思います。

　逆に護憲の立場でメリット、デメリットを考えると、一括投票方式ではメリットとしては９条もですが他の条文の問題点を訴えて、結果的に９条も含め包括的に護憲できる事、デメリットとしてはもし国民の関心がなく低投票率でそれが通ったら自民党改憲草案のような無茶苦茶な憲法ができてしまうことがあります。

「Goodbye! よらしむべし、知らしむべからず」さんの「『日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に・・・」
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm

　反対に個別投票方式では、メリットとしては無茶苦茶な条文に関しては改憲を阻止できる可能性があること、デメリットとしては９条の改憲に関しては「９条だけなら」と改憲に賛成な投票がなされ、９錠に関しては改憲される事などがあります。

　参院選で防ぐ事ができればいいのですが、国民投票となった場合、どちらの投票方式になるかによって改憲に関しては大きく違って来ます。国民がどれくらい改憲に関して、改憲草案の内容の酷さに関して、興味を持ち認識するかによって変わってくるかと思います。

　今回戦後最低の低投票率で、自民党の得票率は前回大敗した時の２６．７３％とほぼ同じで、２７．６２％と、今回の選挙が自民党に必ずしも国民が賛同している訳ではないのを考えると、国民が改憲に現段階では賛同している訳ではないのかもしれません。どちらの投票方式になるかわかりませんが、どちらの投票方式になっても改憲にＮＯと国民が考えるよう、護憲派にとってはこれからが正念場だと思います。

※追記１
　各党の得票数は以下のようになっているようです。護憲勢力としては、共産、社民くらいでしょうか、維新が想像以上に無党派層を吸収したようですね・・・。広義のリベラルを合わせて３０。２％というのが、厳しい結果ですね、自民、維新、公明、みんなを合わせると６８．５％と極めて恐ろしい結果になっていますね・・・。公明は正確には改憲を主張してはいませんので、公明を抜かせば５６．７％とと、約６割と世論調査と同じような数にはなりますね。

【有効総得票数】
　 6019万9888票
自民　1662万4457票　27.6％
維新　1226万2228票　20.4％
民主. 962万8653票　16.0％
公明. 711万6474票　11.8％
みんな 526万5586票　 8.7％
共産. 368万9159票　 6.1％
未来. 342万3915票　 5.7％
社民. 142万0790票　 2.4％
大地. 　34万6848票　 0.6％
幸福. 　21万6150票　 0.4％
改革. 　13万4781票　 0.2％
国民　 　7万0847票　 0.1％

※追記２
　　ちなみに興味深い計算をされている方がいらっしゃいました。多党乱立で小選挙区制をしているのがおかしいのですが、かといって二大政党制になればいいかというと、
個人的にはそう思いません。

黒田充 @mitsuru_kuroda
全議席が比例代表なら議席配分がどうなるかを再度計算してみました。 NHKによる比例代表の得票率（開票率95%）を480議席に単純にかけると、 民主77、自民134、未来27、公明58、維新99、共産29、みんな41、社民11、国民1、大地3となります。 小選挙区制の弊害はあきらかです。

https://twitter.com/mitsuru_kuroda/status/280362058824941569

○後記
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