「1と3分の1」政党制の恐ろしさ
選挙が終わり、自民党が絶対安定多数を確保しましたが、ここで問題なのは対抗野党が小選挙区制なのにバラバラに割れている事です。
昔、社会党があった時代は、「1と2分の1」政党制と言われていましたが、中選挙区制ですらそういう問題があったのに、小選挙区制で現在の自民300,
維新50民主50では「1と3分の1」政党制よりと、あまりにも死票が多すぎ議席が偏る事になってしまうという問題が重くあります。1970年代に合法的な選挙を経ても政権交代が数十年起きないサルトーリの一党優位政党制の概念の一例として日本が挙げられていましたが、中選挙区ですら一党優位政党制で対抗野党の社会党が弱かったのに、今回の場合は対抗野党がいない、という極めて危機的状況にあるかと思います。
また、その3分の2が結束していればいいのですが、そのうちの半分は、自民党より更に急進的、過激な右派で、ヨーロッパの保守主義vs社会民主主義やアメリカの保守主義vsリベラルと協力しあえる関係ではなく、実質的な野党がその半分の3分の1しかないのが、極めて大きな問題としてあると思います。
政治の軸をどこに置くかによって変わりますが、仮に新自由主義を軸とした場合、新自由主義政党は自民党、維新の会、みんなの党となり、比例での割合を単純に足すと56.7%になります。しかし公明党が与党となるため、公明を加える場合は、割合はさらに増え、68.5%が新自由主義政党が占める事になります。
残りの社民、民主、共産、未来は30.2%と少数派になり、さらに改憲という政治軸にするなら社民、共産のみになり、8.5%となります。
与党がこのような割合を持つと、絶対安定多数というように、全委員会の委員長と、委員の過半数以上を占められるため、強行採決が可能となり、事実上自民党が立法府でも行政府でもフリーハンドに自由に物事を決められるようになります。
そして、公明は連立与党になりますから31議席が加わり、さらに3分の1の半数の維新の会は、改憲には自民党と協力する、と明言していますから、54議席が加わり、379議席を自民党かそれ以上右派的な改憲派が占めるようになり3分の2を大きく越える事になります。
このような情勢を覆すには、次の参院選で事実上の野党である社民、共産、民主、未来が過半数以上を占めるしかありませんが、その連帯が作れるのかが何よりも問題です。本当に次の参院選で選挙協力を含めた連帯を取らなければ、日本の「法の支配」が終わる、と野党側は危機感を持たなければならないと思います。
○後記
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