日本の「自称・保守」の不思議


 福島第一原発事故が起き、もう1年半以上になります。事故が実際に起きるまで「環境問題を利用した左翼」と冷ややかな目で見られてきた原発に反対な人も、事故を受けてそれまで原発どころか政治に興味のなかった方たちまで、声を上げられていらっしゃるようになっています。


 しかし、福島第一原発事故が起きたのに、なお原発を推進すべき、という方たちがいます。その方たちは「原発を止めたら電気料金が上がって企業が海外に逃げ日本経済は破綻する!」など主に経済的理由から反対してる方が多いように思います。そしてその方たちは「自称・保守」派を名乗っている方が僕が知ってる限り多いです。原子力発電の環境汚染は無視をして「原発を辞めたらCO2が増えるけどいいの?」と環境問題を理由にする、普段は環境問題に興味があったようには見えない方もいます)


 脱原発はコストが高くて非現実的だと冷笑する方がよく見られますが、メリットとデメリットで本当に合理的に考える方なら、メリットは耐用年数が過ぎた炉の廃炉費用や核のゴミの処理費用などを未来に先送りして算出されている現在の原子力の電気料金の安さ、プルサーマル計画や高速増殖炉によるエネルギー安保、といったところでしょうか。


 しかし、デメリットである、耐用年数が過ぎた炉の廃炉費用と核のゴミが事実上まともな処理方法がなく、地中深くに埋めるだけで、その最終処分場の建設・処理費用、プルサーマル発電の福島第一原発事故で用いられたMOX燃料の制御の難しさと、高速増殖炉の事実上の中止、そして何より、万が一事故が起きた場合に半径数十キロから数百キロにわたってこの狭い日本列島の国土が半永久的に汚染されること、を福島第一原発事故があったのにその「自称・保守」派の方はまったく考慮していません。


 経済的なメリット以外にロクにメリットがないのに原発推進を叫ぶ「自称・保守」の方ですが、本当に保守で日本を愛しているなら、どれくらいの確率であろうとも、事故が起きたら半径数十キロから風向きによっては数百キロが汚染され半永久的に国土が使えなくなる原子力発電には断固反対するのが、本来の「愛国保守」ではないでしょうか。


 国土を半永久的に汚染されるリスクがあろうが、経済的に日本が国際競争に負けるからダメだ、という、経済大国でいたいという一点のみでの「愛国」というのは、少なくとも本当の愛国心ではないと思います。


 まあ、原子力利権にはアメリカが深く絡んでいて、長期的利益よりも今期の短期的利益を求めがちな経済界がバックにいるなら、それは立場上、矛盾してても原発推進を叫ぶのだろうな、と売国奴」という言葉をやたらに使いたがる「自称・保守」の方は、その言葉が自国の国土汚染のリスクを無視して対米従属をする自身に、ものの見事に当てはまる事を考えた事があるのだろうか、と疑問に思います。。




○後記
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