個人的に思う一番の総合景気対策

  最近、ブログ村掲示板によく書き込ませて頂いているのですが、
そこでこのようなトピックがありました。そこでの投稿を推敲させて頂きましたが、
これが一番の景気対策ではないかと思います。




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タイトル
新政権に何を期待するか?

アンケート内容
【どうして民主党を支持できるの?】がまさかの1000レス達成してしまったので、
勝手ながら新たな書き込みスペースとして、作成いたしました。
アンケートは新政権誕生に対応して、
有権者として新政権(民主・国民新党社民連立政権)に望むこと』
としました。
どうぞ各々の意見を自由に主張してください。
ただし、個人に対する誹謗中傷や荒らし行為はおやめ下さい。

企画者
きー

選択項目
以下よりひとつ選択してください

社会福祉の充実に努めて欲しい
景気回復を優先してほしい
地域格差の是正を行ってもらいたい
政治の透明化に期待している
外交分野での活躍・リーダーシップを望む
その他
そもそも、新政権に期待などしてない
http://politics.blogmura.com/board/vot/voting37_40762_0.html

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 個人的に支持する景気対策とは、今の状況の原因が問題となるかと思います。
それは、端的におおざっぱに申し上げれば、古典的なお話ですが、家計の可処分所得
減少した分のお金が企業が設備投資に資金を回されず内部留保や金融資産で寝かせていたり、
金融機関の国内・海外の金融商品や不動産などへの投資に廻っていて、消費に回らない、
ということがあるかと思います。そのため企業は利潤を上げるために一番簡単な、
海外生産や非正規雇用などによる人件費の削減と正規雇用の削減を行い、
結果的に所得が少なくなった家計の消費は減り、そのためさらに内需が減って
海外生産や人件費の削減を行うことになり、といった、よく多くの方がご指摘されている
ような構図のためだと思います。 そのような、現在の、日本に限っての、どちらかというと
バブル崩壊以後からの恐慌の原因をまず個人的に考えてみたいと思います。

 

バブル崩壊以後からの恐慌の原因についての個人的考察

 

(1)規制緩和・自由化の問題


 では何故、このような状態になったか、といえば、基本的には規制緩和による
自由化があります。例えば社会党があったころ、左派は大規模小売店舗立地法
反対していましたが、それも規制緩和で成立しました。何故問題とされたか、といえば、
小規模でかつ、「米屋」や「八百屋」といった、特定の商品の商店の小売店が潰れるから、が
当時、当然理由として大きかったと思います。しかし、個人的に結果的に今思うのは、
その事もありますが、大規模小売店、例えば規制緩和当時の例ではダイエーがよく
持ち上げられていましたが、早朝深夜営業、ところによっては24時間営業、元旦営業、
メーカーから大口で仕入れるため、大規模小売店の発言力が強くなる、
という事がおきたかと思います。

その結果、仕入れ値の競争が起きるとともに、根本の価格について「もっと安い商品を作ってくれ」と
発言力の増した小売に要求されるという形で、小売の段階だけでなく、メーカーの価格競争が
激しくなったかと思います。メーカーは大量生産によるコスト削減を行うために、種類の削減、
そして、商法関連の規制緩和、自由化によって進んだ企業合併によるメーカー自体の減少が
あったかと思います。、

 加えて大規模小売店舗による「小売の寡占」が進んだ結果、多様なメーカーの多種の
商品の競争から多数の小売がそれぞれ質と価格がいいものを選んでいく、
ということがなくなりました。小売は寡占化が進む事で、多様なメーカーの多様な商品を
扱うのではなく、「高級品」「人気どの高いもの」「廉価品」など、販売層ごとに、
かついくつか売れ筋の物を扱うだけで、メーカーや商品の多様性がなくなりなったかと思います。

 その上で、ちょうどバブルの頃から「輸入自由化」「関税、非関税障壁の撤廃」という
ものが、当時、日米貿易摩擦があったころにアメリカから求められ、それらのために、
輸入に関してしやすく、かつ、非関税障壁として、流通の自由化が行われました。
その結果、大規模小売店舗は躍進し、かつ輸入自由化は、個人商店では最安値の海外産のものを
仕入れるのは難しいですが、大規模小売店ならば、それが可能で、結果的に人件費の安い海外産が
国内産品を駆逐すること、それらが問題だったかと思います。

 また、それこそ銀行の自己責任ですが、バブル期にむちゃくちゃな貸出を
して膨大な不良債権を抱え込んだ金融機関が、不良債権処理のため、
いくら低金利にしても、貸出にお金を回さず、むしろ貸しはがしなど、
不況期に債権回収をした、というのも最悪でした。それは、ちょうどその頃、
世界的に今ハジけた金融自由化による金融バブルが盛り上がっていて、
「金融自由化」という、よく端的に言えばお金の流動性を高め、かつそのために、
「金融機関の健全性」として、自己資本比率を高めよという内容のものの外圧が
あったこともあるかと思います。結果として、それは民間から政策金利と貸出金利
差額分が銀行の利益となり、それを銀行の不良債権処理に回され取り上げられて、
形として負債を国民が負わされた結果、当然その負債の分、消費は減ったかと
思います。

 また、金融自由化については、お金の流動性が増し、経済が活性化する、
というのが自由化の理由の一つでしたが、金融自由化に加え、IT革命による瞬時といっていいほどの
コミュニケーション、トレードの迅速化が行われた結果、お金の過剰に流動性が増し、
「ぱっと安値で買って、ぱっと高値で売る」ということができるようになり、タイムラグが
なくなったため、長期的投資による、投資された資本から生まれる価値を
目的にするのではなく、短期的投資による債権売買の差額を求める「投機」に傾いてしまう、
それが可能になったため、まともに金融が作用しない、それどころか
バブルが良い例ですが、実体経済から乖離した乱高下により、結果的に
実体経済に多大な影響を及ぼす、ということが大問題となったかと思います。
これは現在の世界金融恐慌においてもいえることではないかと思います。


 どちらにせよ、バブル崩壊から日本は金融不全を起こしていて、
そのこともあって、内需が縮小しているかと思います。

 

(2)労働条件の急速な悪化

 

 また、ちょうどその頃、ソ連東欧の崩壊によって、左派的なものに対する
不信感、「間違いだと結果がでた古いもの」というイメージもありますし、
バブルの頃で、組合運動をしなくても、賃金が上がるという2つの要因が
あり、労働組合が衰退しかつ社会民主主義政党だった社会党が崩壊した結果、
労働環境が急速に悪化した、ということがあるかと思います。その結果、
非正規化と賃金カット、そして新規雇用の場合は、年功序列の廃止によって
賃金が初任給からなかなか上がらないことにより、家計の可処分所得
悪化したことがあったかと思います。

 そして、よく「自動車が売れない」と言われますが、これは元をたどれば、
いわゆる、自動車などの耐久消費財や、マイホーム、マンションが20世紀に
普及した理由の一つとして、いわゆる割賦祓い、ローン制度の誕生がありましたが、
そのローンという制度は、基本的に雇用と賃金の安定への信頼、に基づきます。
それが、非正規は特にそうですが、正社員でも、今までは労働基準法労働組合により
ある程度解雇というのはしにくかったのが、90年代から社会的に不景気だ、
ということと、「日本の労働生産性が低い」ということをマスメディアが
さんざんアナウンスした結果、「不景気なんだから仕方がない、自己責任だ」
の風潮が高まったせいか、以前より解雇しやすくなって、解雇の可能性が
一生涯ないとは思えなくなったことがあります。まして、賃金カットは当然
だとなり、かつ「成果主義で頑張れば以前より稼げる、努力次第だ」と
アナウンスされて年功序列が崩壊した結果、長期的なローンを組めないため、
耐久消費財や、高額商品の需要の減少があったかと思います。
(ちなみに日本の労働生産性が低いというのは、通貨価値が単に上がって
ドルベースでそう見えたことが主な原因かと思います)

 

◯個人的に思う一番の総合景気対策

(1)労働環境の改善・・・有効需要拡大と、それによる設備投資の増加、そして税収増加

 長くなりましたが、個人的に期待する景気対策は、民主党が行うかは
分かりませんが、まず一つは「労働基準法の取り締まり強化と、ILO規約、
例えば8時間労働制や同一労働同一賃金についてなど全規約を批准すること」
です。

 これをすると、「中小企業が潰れる、人件費がとんでもないことに
なる」と、思われるかと思いますし、短期的には、「何もフォローしな
ければ」そうですが、先述の通り、国内消費の落ち込みは、雇用にその根源が
主にあるかと思います。「雇用がない、仕事がない」と思われている方も
いらっしゃるかと思いますが、8時間労働制が守られず、長時間のサービス
残業や休日出勤を強いられているのは、言い方を変えれば、普通の労働時間
では処理できない仕事量を、本来なら人員を増やして、適正水準にするのが
普通だったのですが、それを人件費を減らすため過剰労働を強いている、
つまり、その分、本来は労働基準法を順守すれば、必要とされる雇用を、
既存の労働者に過剰労働させることで、していない、という、実に企業に
都合のいい内容になっています。当然、その分は消費は減少することに
なっているかと思いますし、雇用問題の解決が結果的には景気対策
なりますし、全国で行われるため、地域に偏りがあまりなく雇用が行き渡り、
結果的に地方格差の是正になるかと思います。そして、本来法的に義務付け
られているはずなのに、順守されておらず加入されていない、社会保険加入を
行うことで、社会福祉の充実は行われるかと思います。

(2)自由化の撤廃と適正な規制強化

 そして、三つ目は「自由化の撤回と適正な規制」を行うことです。
基本的に、資本主義の正当化根拠としての、自由競争による最適な質での
最適な価格に落ち着く市場原理というものは、一国内ならそうなるかと
思いますが、グローバル化した今で、かつ大規模小売店による販売網の寡占
の結果、小売に関しては、国際的経済力の格差によって主に通貨価値の差で、
人件費が安い国に生産が周り、製造業が衰退して、小売がますます大規模に
なっていく、という悪循環があります。また、小売の寡占によって、
以前ならば、それこそ市場原理で、「あの店の扱ってる品はあのメーカーの
商品は悪かったから、違う店の他のメーカーのを買おう」ということが
できず、つまり、質では画一化して、かつ低価格化に伴なう人件費の減少と
質の低下も伴なうため、これも悪循環になっていきます。 そのため、
いわゆる非関税障壁といわれて撤廃された、主に小売、製造などにおける
各種規制の自由化の撤廃と、適正な規制強化を必要としていると思います。

 また、金融自由化については僕個人は金融「国有化」論者ですが、
それはおいておいても、少なくとも金融自由化の撤廃と、適正な規制強化、
流動性の適正化と、長期的投資の優遇と、短期的投資に対する課税強化を
行うべきだと思います。これは、為替に関する先物取引に関しても、
(1)についても(3)についても重要な意味を持つかと思います。
なぜなら、「労働生産性」というものも、「海外の低賃金国」というのも、
基本的に「通貨価値の過度な不平等性」によるものだと思うからです。
通貨価値の不平等は、経済力によって当然起きるものではありますが、
しかし現在の状態は異常な状態ではないかと思います。もちろん、
「そんなことをしたら、低賃金国がつぶれる、餓死させるつもりか」という
ご批判があるかと思いますが、そもそもが、同じ1時間、同じ労働をしているのに、
アメリカで時給3500円で、日本で時給850円、中国で時給35円、
アフリカで時給2円という事態が異常であり、これはある程度是正しなければならず、
これこそ南北問題の根源であり、南北問題解決のためにも、行うべきだと
思います。

 なので、これは世界の通貨管理問題になりますので、前回、第二ブレトンウッズ体制が
生まれたようですが、再度、世界の通貨問題に関して議論をし、金融再規制と
通貨管理問題の適正な解決を行うべきだと思います。短期的には、
せいぜいできるのは国内での以前のような金融再規制までかと思いますが、
仮にそれで資本逃避が起きるとするならば、資本逃避に対しての課税強化を
行って、海外への資本逃避など、資本の流動性を低めるべきかと思います。

(3)中小企業の保護・・・海外生産品

 そして、二つ目に、目的としても、一つ目の手段のための意味でも、
「中小企業の保護」があります。日本の企業の実に9割近くが中小企業で、
それらは大企業の下請けなどが多いですが、大企業優遇がされる一方、
先述のような価格破壊の名の元でのデフレで、それらのコスト削減要求は、
中小企業に丸投げされていることも問題です。無茶なダンピングを強要させず、
大企業と形式だけでなく実質的に対等な関係に立てるよう、中小企業の地位を
保護する必要があるかと思います。そのためにも、これは中小企業も行っている
ことではありますが、海外生産品の輸入規制をある程度行う必要性があるかと思います。
ただ、その点は、世界経済の戦前のような保護貿易化によるブロック経済化という
恐ろしい先例がありますので、世界的に話し合いが必要ですが、その原因でもあり、
問題解決の手段として、そもそも低賃金国といわれる国が、なぜ低賃金かといえば、
先述のような通貨価値の不平等が、あまりにもありすぎる、ということがあります。
逆に言えば、先述のような通貨問題の解決さえ行われれば、日本の問題でなく、
世界恐慌においても解決策になりえるものだと思います。


 また、その上で、国内生産品で、中小企業が大企業と対等に契約を結べるよう、
ある意味で労働組合的ではありますし、トラストになりかねない危険性があるのは分かりますが、
憲法学的に可能ならば中小企業組合を結成する必要性があるように思えます。

○終わりに

 以上長くなりましたが、そのように個人的には思っています。
民主党の政策がそうなるかどうかは分かりませんが、いつかどこかが
やってくれたらいいなと思っています。しかし、どちらにせよ、日本の恐慌の解決の手段は、
日本のエゴイズムになると、世界経済の保護貿易化を招きませんし、世界経済の観点から、
世界恐慌の解決にも繋がりうるものとして、国際的に討議して行うもので、上記のは
少なくとも短期的政策としては不適切かもしれません。

 ただ、少なくとも国際的問題にかかわらない、むしろ国際的問題に反した、
労働環境の改善や、国内問題の規制強化、国内資本の流動性の規制、
そのための資本逃避に対する課税強化が必要かと思います。

 どちらにせよ、まず金融工学は確かに合理性を持つもので、
それ自体は理論的には、実はまだ間違っているとは判断できないものですが、
それを金融商品など投機的金融に用いられたことが問題であり、それについては
結果的に金融工学は加担してしまったと思います。仮にそれを再び用いるとするならば、
本来的な目的のはずである、実体経済のための、リスクヘッジに用いるべきだと思います。

 今回の経験は、単発的な、偶発的な問題ではなく、新自由主義・・・というよりも、資本主義という
システムに内在する問題であり、短中期的には混合経済への回帰で解決しうるものだと思いますが、
根本的には、何かしらの資本主義に代わりうるシステムの構築、個人的にはそれは社会主義だと
思いますが、それらを「実行する」のではなく、「求め続ける」、その上で、僕はまともな意味での
保守概念に対しては、政治的に大変重要だと思っているのですが、それは、理論的に正しいと
思われるから即実行することの危険性に関してはいろいろ歴史的にありましたし、「革新」とは
本来は左翼だけの言葉でなく、「新しく革る(あらためる」ということで、実際戦前に、
「高度国防国家、国家統制」を主張した官僚を「革新官僚」と呼ばれていましたように、
「現在の問題を改善するために、理想的モデルに基づき現実を変えること」が「革新」でそれ自体は
非常に必要な概念だと思いますが、行き過ぎた革新主義は結果的にはロベスピエールから
ロシア革命文化大革命などで見られるような、「現在」を壊してしまう、そして必ずしも
意図したような「理想的モデル」にならない危険性があり、そのために、「保って守る」という意味での
「保守」の概念が、いわばストッパーとして対抗概念としても、「現在」より悪くならないための
担保としても必要であり、それら「革新」「保守」の両方の視点から、無理のない「成長」を
行うべきではないかと思います。

 どちらにせよ、そのためには「理想的モデル」の探究と、それに対する永続的な「懐疑主義的批判」は
を続けていくこと、それが超長期的な「一番の総合景気対策」だと思います。



◯よろしければ、「経済対策で一番重要だと思われるのは何ですか?」の

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AX



○後記
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